
(1)地域再生人材創出構想の概要
静岡県は、全国トップレベルの医療機器生産額(平成19年全国第2位)を誇り、静岡県東部に位置する富士山麓地域には、大手医療機器メーカーを中心に、県下の約4割の事業所が集積している。また、ものづくりに関して高い技術力を有する中小企業が多数存在している。こうした中、静岡県では富士山麓先端健康産業集積(ファルマバレー)プロジェクトを推進し、医薬品、医療機器等の研究開発を進めている。今後の展開として地元中小企業のファルマバレープロジェクトへの参画を積極的に推進し、地元中小企業主体による医療機器をはじめとする健康関連産業の集積と地域経済の活性化を目指している。
しかしながら、中小企業においては、社内中核技術者が不足しており、人材養成を支援するシステムの構築が課題となっている。本事業では、医療機器開発に必要な薬事法等の法的知識、医療機器に求められる品質とそれを達成する製造技術を持った医療機器開発の中核となる技術者を養成する。
具体的には、ものづくり技術分野を担当する沼津高専と医用生体工学分野を担当する東海大学開発工学部がそれぞれの個性、特性を活かしつつ、関係機関との多様な教育シーズによる人材育成ネットワークを形成し実施にあたる。修了段階では、自社で実現可能性の高い製品を指向した開発までを想定したカリキュラムを編成する。本事業は、静岡県の施策や地域再生計画と緊密な連携のもと実施し、医療健康関連の産業集積による富士山麓地域の再生を目指す。
(2)3年目における具体的な目標
薬事法をはじめ医療機器開発に必要な法的知識と医療機器に求められる品質とそれを達成する製造技術を持った医療機器開発をリードできる中核技術者の養成を目標とする。より速やかに現場のリーダーとなる技術者を養成することを重視し、書類審査により8名を受け入れる。養成期間は2年間とする。
3年目の達成目標は、16名の「医用機器開発エンジニア」を輩出するとともに、沼津高専又は東海大学開発工学部と受講者を派遣する企業との間で医療機器等の開発に係る共同研究が開始される。
(3)実施期間終了時における具体的な目標
医療機器開発を指向する企業における中核技術者として、32名の「医用機器開発エンジニア」を輩出する。また、実施期間終了時における達成目標として、養成人数のほか、沼津高専又は東海大学開発工学部と受講者を派遣する企業との間で10件以上の医療機器等の開発に係る共同研究の開始、受講者を派遣する企業において3件以上の医療機器等の試作品開発を達成目標とする。
(4)実施期間終了後の取組
本事業終了後は、沼津高専専攻科に「医用機器開発システム工学専攻(仮称)」を設け、医療機器開発を下支えする技術者を継続的に輩出する。
(5)期待される波及効果
地元企業の医療機器開発に係る人材育成を支援するシステムが構築されれば、今後、医療機器開発に向けた動きが地域全体へ広がることが十分に期待でき、地域経済の主役である中小企業の技術力、製品開発力を引き上げ、ファルマバレープロジェクトとの相乗効果も図りながら、地域全体としての産業競争力向上による地域経済の再生・活性化に大きく貢献できる。

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